プロトタイプの涙【電脳少女シロ】

電脳少女シロが震える声で歌を歌っていた。
開拓者ポジションに近いバーチャルユーチューバーの一人。

この(中の)人、おそらくは一生懸命生きているタイプで、動画こそは一見、不思議ちゃんキャラを楽しんでいるように見えるかもしれないけれど、人に気遣いをして自分は他人を蹴落として表に出るタイプじゃない人だと思う。

(声優とかそういう世界の話は知らないけれど)

一年ってびっくりするくらい短い。

企業は次から次へとイラストレーターとトークや歌手の卵たちを結び付け、バーチャルユーチューバーを増やしてきた。

爆発し始めたのは昨年末というから、実質8ヶ月。たった8ヶ月で4000人のバーチャルユーチューバーたちがわちゃわちゃ動いているという。

プロトタイプの涙

自分自身は人種的にはオタクではないけれど、「面白い」よね、バーチャルユーチューバーの動画。

ブームの中心人物の一人として四天王とまで祭り上げられたシロさん。

「無」から生み出された「キャラクター」で「何ができるのか?」

そういう前例のない世界で、ライバルたちと争い、協力し、「何かをしていこう」とし続けてきた人と制作会社。

今では「後輩」にあたる「量産機」がグループのように活動を始めているらしい。

シロさんはプロトタイプだ。(ばーちゃるさんも)

シロ自身わかっているはず。

会社が『プロデュース業』に回った意味を。

カメラマンが写真業で食えなくなるとカメラ教室を始める。

ブログで食べていた人がブログで食えなくなるとノウハウを教えるビジネスを始める。

昔人気になったアイドルがキラメキを失うとファンション業やダンスなどの運営業を始める。

8ヶ月や1年で情勢はめまぐるしく変わっていく。

「夢物語」の厳しい世界

動画の広告収入で果たして裏で月収や年収が発生する「数十人いる会社」の給料を確保し続けることができるのだろうか?

一ヶ月前に公開された動画の再生回数は5万~10万未満。大勢が繰り返し定期的に見ているわけでもなく、会話の言葉と同じ「一度」しか見られない。

業界の五本の指に入る人(キャラ)でさえ、そんな世界。広告収入がいくらかは知らないけれど、「相当厳しい」ことは見てわかる。

プロトタイプのバーチャルユーチューバー

登録者数200万人キズナアイのupd8、ミライアカリ(エイレーン)のエンタム、電脳少女シロのアップランド、株式会社カバー(ミラティブ・REALITY)のときのそら、富士葵、藤崎由愛…

にじさんじに至ってはもともと「プロデュース」事業者であり、絵のあるラジオ屋さん。

主力プロトタイプがユーチューブ以外の動画投稿サイト(アプリ)を結び付けたり、事務所(?)事業を起こしてみたり。

そもそも「バーチャルユーチューバー」自体が、ネット企業の事業の一部分なのかもしれないけれど、この業界、これ以上発展・収益化できる見込みがないのが見えてきている。

春頃にバーチャルユーチューバーの盛り上がりを見て巨額の資金投入意をした企業はそろそろ準備が整い、さらに完成されたバーチャルユーチューバーを世に送り出しつつあるけれど、投資された資金と毎月発生する何人もの制作運営人に支払われる給料が黒字に転ずるのはいつなのだろう?

自分でモノを売っているのならともかく、分配される広告宣伝費が主軸というのは思いの外少額の売り上げになるわけで。

広告費が安いからこそ、普通の社会のサービスの価格もギリギリの価格で利用できていたりする…のかな。(テレビ広告のドコモや電力会社などは寡占・独占市場でもともと超ぼったくり価格だけどね)

パイオニアたちに幸あれ。

「止まるんじゃねえぞ」に対して、

「止まらないぞ」ではなく、「止まれないぞ」(ずっとし続けないと即アウト)というのが現状なのかもしれないね。

有料で買われるビートルズやマイケルジャクソンの数分の曲が何度も聞かれたのと違い、1~4時間の無料動画が一度見られるかどうか。

毎日あちこちで数時間分更新されれば、演奏や動きや歌を準備して作られた動画も過去になるのはあっという間。

プロトタイプたちが夢を追いながら「頑張ってきた」世界の終着点が今なのかも。

人口も時間も(お金も)有限。ユーチューブを運営するグーグルが変質したら、検索や地図や音楽や宣伝を無料で見聞きできた世界も一変してしまうね。

単なる誘導と情報操作の広報であるテレビの世界は嫌いだから、いろいろなコンテンツが存在できる世界であり続けたらいいなって思う今日この頃でした。

シロさん、ありがと!

これからも時々楽しませていただきます。

シロさんは、キャラに徹するタイプの人みたいで、あまり個人の感情を動画で残るようなことをしない人。

生歌を聞いたもの初めてでした。(あまり自分を前に出さないタイプの人は自分の「歌」を披露しない)

これから先、参戦する量産型の人々は「もっと悲惨」な状況だとは思うけれど、中の人も制作に携わってきた人も一年間お疲れ様。

「君の知らない物語」自体、化物語というアニメがあり、小説を書いた原作者さんがいたり、音楽や声優さんやアニメーターさんが作り上げた世界観にのっとった楽曲…。

下品でない人々の「作品」や「文化」は、オタクだの二次元だの叩き潰す風潮はやめてもっと評価された方がいい。

なんならいいの?それに従わないとダメかい?

ん?ジャニーズやエグザイルやイモトやらだったらキモチワルくないって?

カネ、そいつらの懐に入るだけの「役者」なのに?テレビ全体で「人気者」を演出してるだけの「有名タレント」は例外なんだ?

同じなんだよ。「世の中に必要ではないモノたち」。

多数派が正しいように見えるけど、それが間違いだったとしたら、だまされているとしたら、ただのカネの養分にテレビを見せられていることを知ったとしたら、「自分で選んだ選択肢」を楽しんだ方が良いと思うのだよ。

画面に向かってペンライト振ったりはしないし、グッズを買ったりもしないけれど、無から生まれる情熱や夢を生み出す人々、好きですよ。

少なくともテレビに守られて数千万稼ぐタレントや芸人たちや、プロスポーツという名の社会の役に立っていない自分たちの収入になる興行試合をする人々よりずっといいじゃない?

業界からカネ貰ってるテレビにサッカーやら野球やら「その話題だけ見せられて」天才だの才能だの取り上げるけど、ソレ応援してどーすんさ?

球団持ってるの、テレビのスポンサーだよね?歌手やアイドル、全部テレビの身内だよね?話題にすればするほど話題にする側が儲かる仕組みだよね?

戦争状態の中、マンガのキャラに絵空事を言わせたり演じさせて遊んでいるわけじゃない。

生きるか死ぬかの世界で無い時代は、創作や制作が開花する文化の方が良いと思うのでした。

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